イサム・ノグチ | Isamu Noguchi
1904 ロサンゼルス-1988 ニューヨーク
英文学者で詩人の野口米次郎と、作家レオニー・ギルモアとの間に生まれ、少年期は日本で育つ。渡米した後、彫刻家 を志し、アジア・ヨーロッパを旅して見聞を広めた。パリでは彫刻家ブランクーシの助手をつとめる。ニューヨークに居を定め、肖像彫刻、舞台美術をへて環境彫刻やランドスケープ・デザインにまで幅広い活動を開始する。戦後は日本でも陶器作品や、和紙を使った「あかり」のデザインなどを行う。また丹下健三、猪熊弦一郎、勅使河原蒼風、北大路魯山人、岡本太郎など当時の前衛芸術家たちと交流して刺激を与えあう。その後、アメリカ国内外の各地で、彫刻、モニュメント、環境設計を続け、文字通り「地球を彫刻した男」と呼ばれる。1985年には、ニューヨークにイサム・ノグチ・ガーデン・ミュージアムを開館する。

代表作には、慶応義塾大学「新萬来舎」(1950)、広島の平和大橋(1952)、パリのユネスコ本部の庭園(1958)、大阪万博の噴水(1970)、デトロイトの公園「フィリップ・ハート・プラザ」(1979)、東京の草月会館ロビー「天国」(1977)、テキサスのキンベル美術館「星座」(1982)、コスタ・メサの彫刻公園「カルフォルニア・シナリオ」(1982)、フィラデルフィア「ベンジャミン・フランクリンのためのモニュメント」(1984)、ヒューストン美術館の彫刻公園(1986)、ヴェネチア・ビエンナーレの滑り台「スライド・マントラ」(1986)、高松空港「タイム・アンド・スペース」(1989)、札幌大通り公園の滑り台「ブラック・スライド・マントラ」(1992)、札幌モエレ沼公園(2005)など。









1904 英文学者である野口米次郎と、作家レオニー・ギルモアとの間にロサンゼルスで生まれる。



1907 母と日本に移住。



1918 アメリカの学校に送られる。



1924 ニューヨークのレオナルド・ダ・ヴィンチ美術学校の彫刻クラスで学ぶ。



1926 デザイン・美術アカデミーのサロン展に出品し始める。



1927 グッゲンハイム奨学金を受けてパリに行き、彫刻家コンスタンチン・ブランクーシの助手をつとめる。



1930-31 パリに戻り、北京に旅して斉白石に墨絵を習う。
京都でテラコッタの彫刻を制作。




1935-36 マーサ・グラハムの舞踏団のために初めて舞台装置を制作。
メキシコで公共市場の壁面レリーフを制作。




1942 ニューヨークのグリニッジ・ヴィレッジにアトリエを構える。
さまざまな素材で彫刻を作り、家具や照明器具などのデザインを行う。




1949-52 ボーリンゲン財団奨学金を得て、ヨーロッパ・アジアを旅する。
日本では岐阜ちょうちんを新たな「光の彫刻」に再生させた「あかり」のデザインを開始。また北大路魯山人のもとで陶器の彫刻を制作。




1958 パリのユネスコ本部の庭園が完成。



1961 ニューヨークのロング・アイランド・シティに、アトリエを設ける。



1961-67 庭園、遊園地(プレイグラウンド)、公共広場などのデザインなど、環境設計を続ける。



1968 ニューヨークのホイットニー美術館で回顧展を開催。
自伝「イサム・ノグチ ある彫刻家の世界」(翻訳は、1969年美術出版社刊、小倉忠夫訳)を出版。




1969-70 香川県牟礼町に、アトリエを築く。



1972-79 8エーカーにおよぶ、デトロイトの「フィリップ・ハート・プラザ」を設計・制作する。
東京の最高裁判所・中庭、パーム・ビーチのフォー・アーツ協会、シカゴのアート・インスティテュートなどに石の泉や噴水などを作る。
東京の草月会館ロビー「天国」を制作。




1980 マイアミの「ベイ・フロント・パーク」、コスタ・メサの「カリフォルニア・シナリオ」の設計・制作を開始。 ニューヨークにイサム・ノグチ・ガーデン・ミュージアムを開館する計画を進める。



1982-84 ロサンゼルスの日米文化コミュニティー・センター・プラザ、酒田の土門拳記念館、フィラデルフィアの「ベンジャミン・フランクリンのためのモニュメント」、ヒューストン美術館の彫刻庭園などの仕事を完成。



1985-86 ニューヨークのロング・アイランド・シティにイサム・ノグチ・ガーデン・ミュージアムを開館。 ヴェニス・ビエンナーレのアメリカ館に出品。



1987 ロナルド・レーガン大統領から、国民芸術勲章を受ける。



1988 勲三等瑞宝章を受勲。
高松空港にモニュメント「タイム・アンド・スペース」と札幌市郊外「モエレ沼公園」のマスター・プランに着手。
12月30日ニューヨークで死去。





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